Category: 白のフリーク

どれくらいの間眠っていたのだろう。カーテンの閉じられた白い部屋で瑞煕は目を覚まし

１． 瑞煕と朝奈が給湯室から戻ると、祷葵と遷己の話も終わっていた様だった。暖めら

甘いココアの香りが胸を満たす。さっきまであんなに霞がかっていた脳は、朝奈の話を一

１． ・・・つめたい。頭も、顔も、手も、足も、胸も全身が凍りついて何も考えられな

１． 淡い光を放つパソコンのモニターから目を離せないでいる祷葵の意識を戻したのは

１． クラス全体がそわそわと浮かれた雰囲気になっているのに、瑞煕は教室に入るなり

１． 漆黒の闇夜を、巨大な風が吹き抜ける。赤い二つの光が町を横切る。 それを追い

１． 時刻は夜の８時をまわっている。この日はバイトが休みらしい遷己が、河拿研究所

１． 赤いレンガの建物が眩しいくらいの日ざしを浴びてたたずんでいる。 １１月だと

１． 吸い込まれるような青い色が空全体に広がっている。 その色に良く映えた白いコ